「役の気持ちがわからない。役がつかめない」。23歳で劇団を旗揚げして以来、俳優、演出家、劇作家の「三足のわらじ」で活躍する渡辺えりさん(64)。幅広い役柄をこなすベテラン俳優にして、そう思い悩むことがある。
11月末からの舞台「風博士」で演じる役がそうだ。敗色濃厚な戦時下、ある理由で日本から大陸へやってきた女性――。本番に向けて稽古中だが、台本に描かれる内容が少なく、難しい役に「これは試練だ」と感じていた。
そんなとき、30年ほど前に演出家の久世光彦さんからかけられた言葉がよみがえってきた。
「どんな人物でもいつか死ぬと…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル